企業FPが仕事・日常を書くブログ

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パワハラ・セクハラなどの雇用問題に備えるハラスメント保険、グループ会社社員の行為も対象に。

グループ会社社員からの訴訟も補償対象へ

 三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、2019年10月よりハラスメント保険の補償範囲を拡大するというニュースが報じられました。

 

このハラスメント保険では、これまでは保険を契約した会社の従業員からの訴訟のみが賠償金の補償対象となっていましたが、2019年10月からはグループ会社の従業員からも訴えられた場合も補償対象に加わることになります

 

ハラスメント保険とはどのような保険なのか?

ハラスメント保険とは、正確には「業務災害補償保険」の「雇用慣行賠償責任補償特約」のことをいいます。

 

【参考】

www.your-bestpartner.co.jp

 

この保険は、ハラスメントや不当解雇等で従業員に損害賠償請求がなされたことにより、契約者である会社が負担する法律上の損害賠償責任や訴訟費用を補償してくれます。

 

親会社は子会社をしっかり監督する責任がある。

今回、ハラスメント保険の補償拡大により、契約者企業のグループ会社の従業員の訴訟に関する費用等も補償対象となります。

この補償拡大は、主に「子会社従業員からの訴訟」を想定しているといえます。

 

親会社は子会社の管理について責任を負っており、違法行為・不法行為については、親会社はこれらを発見・未然防止する義務があります
子会社で起きたハラスメント問題についても、適切な対応をしなければ親会社の管理義務違反として、責任を取らなければならないことになるでしょう。

 

補償範囲の拡大によって子会社従業員の訴訟に関しても補償対象となることは、契約者(会社)にとってはありがたいことですね。

 

ハラスメントの円満解決は難しく、訴訟事案になりやすい

昨今はセクハラやパワハラといったハラスメントに対し、世間の目は厳しくなっています。

会社としても、ハラスメントに対し真摯に対応することは当然です。

 

ただ、ハラスメント問題は被害者と加害者の認識が異なることもあり、両者が納得の行く解決方法を見いだせないこともあります。
会社として真摯に対応したつもりでも、当事者にとって納得のいく対応でなければ、訴訟に発展することも珍しくありません。

そのような時代背景ですから、ハラスメント保険は企業にとって重要なリスクマネジメントと言えるでしょう。