企業FPが仕事・日常を書くブログ

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LINEが生命保険事業への参入検討しているけど、きっと簡単には生命保険は売れないと思う。

金融サービスの一括提供を目指すLINE

無料通信アプリ大手のLINEが、生命保険事業の参入を検討していることが分かりました。
LINEは決済サービスに加え、「LINEスマート投資」や損害保険を扱う「LINEほけん」といった金融サービスにすでに参入しています。
 
同社では金融サービスの一括提供を目指しており、金融事業拡大のための投資を続けています。
この金融事業への投資が膨らんで2018年12月期連結決算では赤字となっていますが、金融事業の更なる拡大を図って今後も投資を続けていくようです。
 
昨今ではフィンテック(金融とITの融合)の競争も激化してきました。
LINEが提供する決済サービス「LINE Pay」も当初は画期的なサービスでしたが、現在では似たようなサービスが乱立している状況です。
今後もフィンテックの競争は激しさを増すと予想されるので、LINEとしては先行投資を続け、少しでも早く利用者のシェアを確保しておきたい考えなのでしょう。
 

でもきっと生命保険参入は簡単にはいかない

生命保険事業に参入することで、LINEの保険サービスが拡充します。
既に、自転車や賠償責任に関する保険を取り扱っているので、加入できる保険の選択肢が増えることで利用者の利便性の向上が期待できます。
 
ただ、平成28年度の生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、成人男女の8割以上の方が生命保険に加入しています。既に、生命保険市場は飽和状態といっても過言ではありません。(ただし、20代に限ってみると男女ともに生命保険の加入率は5割程度であり、この世代に関してはシェアの確保が期待できます。)
 
一方で、LINEの利用者割合は40代以上が多く占めています。人口の構成比率から考えると当然です。
また、生命保険は一年契約が中心の損害保険と異なり保険期間の長い商品が多く、一度加入をすると他の保険に切り替えることは滅多にありません。
これらを考慮すると、LINE利用者の多くが既に生命保険に加入している世代であり、生命保険事業の参入・事業拡大は厳しくなるのではないかと予想しています。